Eclipseの導入(Windows XP)

Revised: 27th/Apr./2008; Since: 25th/Nov./2002

前節でApache Antを使ったビルド方法を紹介しました。本節ではEclipseでWARをビルドしてみます。

WARはEclipseで開発することが一般的です。前節ではフラットなディレクトリ配下に、手でファイル群をこさえてビルドしましたが、ここでは、EclipseでWARプロジェクトを作成し、ビルドしてみましょう。

まず、Eclipseを利用したことのない方のために、Eclipseの導入から稼動確認までを紹介します。

Eclipseのインストール

EclipseはPure Javaなので、バイナリファイルを適当なディレクトリにコピーするだけです。

Eclipseの前提

Eclipseはjdk/jre同梱の"jvm.dll"を前提とします。Eclipse 3.3 (Europa)では、JDK 5.0以上が推奨されています(JDK 6.0は検証未済なので推奨はしないとの位置付けです)。JDKのインストールが未済の場合は、まずJDKをインストールしてください。詳細は、Eclipse Downloadsのページから、ダウンロード対象のバージョンを選んで、Release Notesを参照してください(Eclipse 3.3.2のRelease Notes (Readme))。

Eclipseの入手

Eclipseのページから、ダウンロードページを開き、バイナリ版を入手します。

Eclipse 3.3は幾つかのパッケージに分かれてますが、ここでは、"Eclipse IDE for Java EE Developers" (126 MB)を入手してインストールします。不足しているフィーチャーは後で簡単に追加できるので、ディスク容量が不足している場合は、他のパッケージを選択してください。

上記ページでパッケージ名をクリックすると、ダウンロードサイトが一覧されます。地理的に近い場所をクリックすると、zipファイルのダウンロードが開始されます。

Eclipseのインストール

zipファイルを展開して、所定の場所にコピーするだけです。

ここでは、"C:\Program Files\Eclipse"にコピーします。

Eclipseディレクトリー
図:Eclipseディレクトリー

Eclipseの設定

ワークスペースの選択

Eclipseは、インストール・ディレクトリ直下の"eclipse.exe"をダブルクリックすることで起動します。

Eclipseスプラッシュ
図:Eclipseスプラッシュ

スプラッシュ画面に続き、ワークスペースの選択ダイアログが出力されます。(Eclipseが起動しない場合は、メモリサイズが不足している可能性があります。Eclipseが起動しない場合の対処を参照してください。)このダイアログは、起動後に、[File] -> [Swich Workspace]を選択することで再表示できます。ワークスペースの切り替えには、Eclipseの再起動が必要です。

Eclipseワークスペース選択
図:Eclipseワークスペース選択

開発成果物はワークスペース配下に保存されます。ここで入力したワークスペースのパスに、ディレクトリが作成されます。ワークスペースは開発環境に必要な色々な設定を保存します。設定をことにしたい場合は、別のワークスペースを作成して設定を保存します。ワークスペースはいくつでも作成できます。

起動中のワークスペース選択ダイアログや、起動後の[File] -> [Swich Workspace]では、デフォルトで5つのワークスペース履歴が表示されます。沢山のワークスペースを切り替える必要がある場合は、"configuration\.settings\org.eclipse.ui.ide.prefs"をテキストエディタで開き、MAX_RECENT_WORKSPACESの値を増やしてください。デフォルトでは5になっています。

MAX_RECENT_WORKSPACES=5

ワークスペースを削除したい場合は、削除対象のワークスペースのディレクトリ手でを削除してください。履歴から削除したい場合は、"configuration\.settings\org.eclipse.ui.ide.prefs"をテキストエディタで開いて削除します。

ワークスペースの設定

Eclipse稼働環境の設定は、起動後に[Window] -> [Preference]で設定できます。

Eclipseの動作設定
図:Eclipseの動作設定

日本語化

Eclipseの導入直後は、メニューやダイアログが英語です。日本語化するには、Language Packをインストールする必要があります。"Eclipse Project Downloads"のページから、"NLpack1-eclipse-SDK-3.x-win32.zip"をダウンロードして、featuresとpluginsフォルダへコピーするだけです。

2008年4月現在、3.3は翻訳作業進捗中です。

実利用上は問題ないかもしれませんが、日本語化したい場合は、サードベンダの日本語化パックを利用してください。

  1. 日本語化するためには、zipファイルを展開し、中身をEclipseフォルダにコピー(他のフィーチャーの追加の場合も同様です)。
    Eclipse Pleiades
    図:Eclipse Pleiades
  2. eclipse.iniに"-javaagent:plugins/jp.sourceforge.mergedoc.pleiades/pleiades.jar"追加。例:
    -showsplash
    org.eclipse.platform
    --launcher.XXMaxPermSize
    256M
    -vmargs
    -Dosgi.requiredJavaVersion=1.5
    -Xms40m
    -Xmx384m
    -javaagent:plugins/jp.sourceforge.mergedoc.pleiades/pleiades.jar
    
  3. オプション-clean付きでeclipse.exeを起動(Pleiades同梱のeclipse.exe-clean.cmdを実行しても同じ)
Eclipseの動作設定(日本語化)
図:Eclipseの動作設定(日本語化)

Eclipseが起動しない場合の対処

JDKがない場合

EclipseはJDKを前提とします。Eclipse 3.3 (Europa)の場合はjvm.dllを探索します。

環境変数Pathに、jdk/jre/bin/のフルパスをセットしてください(環境変数JAVA_HOMEは探索経路に入りません)。

Eclipseがjvm.dellを発見できない場合
図:Eclipseがjvm.dllを発見できない場合

Path変数にjdk/bin/のパスがセットされている場合は、../jre/bin/からjvm.dllを探索します。

物理メモリが足りない場合

"eclipse.exe"をダブルクリックしても、次のようなダイアログが表示されて起動しない場合があります。

Eclipse起動時エラーダイアログ
図:Eclipse起動時エラーダイアログ

この場合、コンソールモードの"eclipsec.exe"をコマンドプロンプトから実行すると次のようになります。

C:\Program Files\Eclipse>"C:\Program Files\Eclipse\eclipsec.exe"
Error occurred during initialization of VM
Could not reserve enough space for object heap

C:\Program Files\Eclipse>

Eclipse自体を起動するためのヒープサイズが確保できないと表示されています。"jvm.dll"がメモリ上に連続領域を取得しようとするためだそうです。

例えば、物理メモリ(RAM)が1GBの場合は、-Xmx512mは大きすぎるようです。但し、クラス数の多い開発を行う場合、ヒープサイズが小さいと辛いかもしれないので、その場合は「回避策1」を検討してください。また、物理メモリが潤沢にあるのに、512MBよりも増やすと上記のエラーが発生して起動しない場合も検討してください。



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