アクセス・アップ戦略入門

reviced: Mar./22nd/2003

概要

ホームページ/ウェブページと呼ばれる、 HTML/XHTML で記述されたテキストベースの一般的なウェブ・リソースのアクセス数を増やすには、最初の一歩として、検索エンジン利用者にクリックしてもらうことが重要です。

一般にアクセスは、 Yahoo!、検索エンジン (Google)、ブックマークの三箇所からになります。1000 以上のアクセス数があるサイトでは、概ねこのような傾向になるでしょう。

従って、アクセス数を増やすには、 Yahoo! に登録して、検索エンジンで上位にリストされ、また来たい/見なければと思われるコンテンツを提供することが王道です。

  1. Yahoo! に登録する
  2. Google で上位にランクされ、クリックしてもらう工夫を凝らす
  3. また来たい/来なければと思ってもらえるコンテンツを提供する

検索エンジンの上位に食い込む方法は、サーチエンジンに対する最適化 (SEO- Serch Engine Optimization, SEM - Serch Engine Marketing) として知られており、これを専門とする企業が多々あります。

当サイトでも、サーチエンジンに対応した HTML の記述の工夫については公開済みですが、本ページではアクセス数向上に注目してまとめておきます。

構想編

リンクしてもらう

Google などの第三世代の検索エンジンは、リンク構造を解析して、他のサイトからのリンクが集中しているページを重要なページとして、検索ランクを高く設定します。特に、ランクの高いページからのリンクであるほど、重み付けが高く加わっているそうなので、 Yahoo! とかランクの高いページからリンクしてもらうことが重要です。 Google で、自分のサイトと同じテーマで検索を掛けて、自分より上位にあるサイトに相互リンクをお願いするのも手でしょう。

コンテンツが有意義な情報を提供しているのであれば、心あるサイトオーナーであればリンクして欲しい旨の申し出を断ることはないでしょう。

テーマを絞り込む

現在、ウェブページの数は膨大な数に上ります。どんなテーマにしようとも、同じようなテーマのサイトがひしめき合うことになります。

テーマは特殊なものほど、検索エンジン最適化は容易になります。例えば、「菓子」をテーマにしても、既存の競合他サイトが幅を利かせていて割り込むことは困難でしょう。菓子 -> チョコレート -> ホワイトチョコレート -> 高級ホワイトチョコレート -> 舶来高級ホワイトチョコレート -> ベルジアン高級ホワイトチョコレートのように、テーマを狭く内容を深くした方が、情報価値は高まりますし検索エンジンからも到達しやすくなります。

作りたいコンテンツが優先するでしょうが、その中でも、テーマを狭く深く得意分野/特色を持たせるように心掛けるのが吉です。例えば、ウェブサイトの作成支援系の情報を公開したい場合、PC 初心者、玄人はだしの素人、生産性、正確性、発注者、デベロッパなどなど、何れにフォーカスするかを気持ちの上で明確にすることが大事です。

別の例として、山と渓谷社系の山岳写真が内容であれば、単に写真をテーマに据えるのではなく、「山」と「写真」を混合した内容を意識するべきです。例えば、情報収集方法、パーティー編成方法、計画立案法、登山装備、機材の選択/運搬方法、露よけ、天気の読み方、気象情報の読み方、天気図の書き方、など、狭く深く、マニアックな情報を提供するように心掛けるのが吉です。このようなトピックだけでなく、写真を配したルート紹介、各山頂からの360°パノラマのリストのように、サイト全体の売りコンテンツがあるサイトは強いサイトです。

労力を割ける場合は、広く浅くても、それが非常に広く網羅的であれば、当該テーマのデータベースとして他サイトと競合できます。労力を割けない場合は、狭く深く、自分の得意分野を高めるのが効率が良い方法です。いずれにしても、情報価値は高まり、ユーザとしては貴重な情報源となります。

ページあたりのテーマをはっきりさせる

複数テーマを混在させた長大な文書は作らないということです。

サーチエンジンは、ページ内の単語を索引としてデータベースに登録して、検査キーワードとマッチしたページをリストします。このとき、ページ内に検索キーワードの出現頻度が高いものを上位にリストします。従って、テーマが広範囲にわたるページは、ランクが低くなります。テーマが一つということは、自ずから重要キーワードが密に出現することになるので、検索ランクも高くなるという寸法です。

HTML 記述編

title要素をきちんと記述する

検索エンジンのリストをご覧になると、サイト名が可読文字になっているものの中に、URL がリストされているサイトがあると思います。これは、ページ内に title 要素がない場合、サーチエンジンは URL をリストするためです。サイト内容を適切に表現する title 要素を head 要素内に記述しておくことが重要です。

title要素の内容を長く書く

多くのページでtitle要素は7±2文字程度を採用していて、titleだけから内容を把握するには不十分です。

7±2文字というのはマッジック・ナンバーで、理論的にも正しいのですが、内容を表現できないこともしばしばです。これでは、せっかく検索エンジンで上位にリストしてもらっても、ユーザにクリックしてもらうことはおぼつきません。クリックしてもらう前に、内容をユーザに伝えることが重要です。7±2文字のメイン・タイトルに続いて、10文字程度の要旨を含めるようにお勧めします。

タイトルを特殊にする

オープンソースのソフトウェアの場合、名前として無意味な音を採用することがあります。意味のある単語の連続の場合、他に同じ名前のものが存在するかも知れず、商標権に抵触するかもしれないからですが、そのものを識別するための識別子になる点でも有効です。

サイトのタイトルの場合も、特殊なものを採用すると、検索エンジンで探し出しやすくなります。例えば、「ウェブサイト作成支援」というタイトルになるであろうサイトであれば、テーマのキーワードは本文に含まれているでしょう。から、タイトルに特殊なキーワードを含めても、検索の趣旨から逸脱することにはなりません。

この話に則る場合、サイトの名前は、「ポムポムウェア」でも「オリンプイエイジ」でも何でも、特殊な他と重複しないものにして、そのタイトルの後ろにサイトのテーマを説明する文字列を追加するように推奨します。

テーマに関連する重要キーワードをページ先頭付近にちりばめる

繰り返しになりますが、検索エンジンは索引という方法で検索キーワードにページをマッチさせているそうなので、カタカナの長音の有無や複数単語の組み合わせや促音(っ)の有無や複数単語のカタカナで区切りの・の有無などを複数混ぜるのも有効かと。私は統一性がないのは嫌いなので、気がついたものは用語の統一を心がけていますが。

あと、索引は単語単位なので、複合単語が索引されていると、要素となる単語で登録されていない可能性があるので、分解した単語もちりばめるのも有効かと。例えば、「自動車免許」は「自動車」と「免許」でも引っかかるように本文中にちりばめるとか。

ページ先頭に要約文を100文字程度で

検索結果には、ページタイトルのほかに、数行の文章が補足されていることが通常です。このデスクリプションのために、ページ先頭100文字程度を採用する検索エンジンがあるので、これを記述しておくと、クリックする前に内容を把握してもらうために有効でしょう。自ずからそうなるでしょうが、テーマと密接なキーワードを含めるようにお勧めします。

これは、検索エンジン対策だけではありません。初めて来ていただいたユーザに、概要をコンパクトに伝えるためにも重要です。

headのmeta要素でname="description"属性のものを含める

これもデスクリプションに含める検索エンジンがあるので有効でしょう。

<head>
<title>Web Site 作成支援 - [HTML、XHTML、CSS、W3C勧告邦訳、
ウェブサイト開発情報]</title>
<meta name="keywords" content="HTML, CSS, XHTML, 入門" />
<meta name="description" content="HTML4.01, CSS1/2, XHTML
1.0/1.1, XHTMLMODの入門/詳細解説とW3C勧告邦訳などのほか、
ウェブ開発情報全般。" />
</head>

戦略編

現状を把握する

戦略を練るために、自分のサイトのランクやアクセス数の推移を把握することも重要です。

Google ツールバーの英語版では、サイトランクがグラフ/数値で表示されます。Google で上位にランクされれば、他の検索エンジンでも概ね上位にランクされます。成果の指標/目標として、 Google ツールバーの英語版で、自分のランクを確認すると良いでしょう。

CGI サービスなどで、アクセス分析を登録するのも有効です。情報の詳細度はピンキリですが、アクセス数のほか、直前に見ていたページ(リファラー)や、ユーザの使用している PC 環境などの情報が取得できます。これらの情報は、個別的には無意味なものですが、統計として表示すると、ユーザ傾向が把握できますので、戦略を練るために重要な情報源となります。

敵を知る

孫子の兵法曰く、敵を知り己を知れば、百戦危うからず。

知彼知己、百戰不殆。不知彼而知己、一勝一負。不知彼、不知己、毎戰必敗。

まず己の出来ることと出来ないことを知り、而して他者を知れば、百戦してこれ殆うからずと言います。自分のサイトで引っ掛けてほしいテーマをキーワードに Google/Yahoo! で検索して、自分より上位に来るサイトを見て研究することが有益です。

目次が見やすい、更新が頻繁、更新履歴がある、などなど、些細なことかもしれませんが某か学ぶところがあるはずです。

訪問者を裏切らない

検索エンジンの結果で上位のサイトはアクセス数が多い傾向にあります。

鶏卵ですが、検索エンジンの上位にランクされるためには、アクセス数を増やすことも重要でしょう。そのためには、ブックマークしてくれるリピーターが必須。訪問者が事前に思っている、「こんなサイトなんだろうな、だといいな」という期待を裏切らないことは重要だと思います。無意味にキーワードをちりばめて、誇大なデスクリプションが掲載されたサイトでは、お気に入りになっていただけないのは必至で、特定の目的があって、短期間だけのアクセス数が意味を持つ、くそったれなサイト以外では禁忌でしょう。

一喜一憂しない

胡寅曰く、人事を尽くして天命を待つ。

尽人事而待天命。

検索エンジンがクローラ/スパイダー/ロボットと呼ばれるソフトウェアでページを索引するには、1,2ヶ月の期間を要します。重要なサイトでは、日単位で巡回しているようですが、そうでない場合は、月単位の期間を待つ必要があります。

最適化を施してもすぐには結果は返ってきません。不正にサイトランクを上げて検索結果に割り込もうとするスパム業者とのイタチゴッコで、検索エンジン各社はランキングのアルゴリズムを作りこんで、頻繁に更新しています。

ウェブサイトで上位にランクして欲しいサイト作成者としては、目先のサイトランク向上をターゲットとするのではなく、独自の有用なコンテンツを提供すること、検索結果で適切な出力が返ることを心掛けるのが王道です。

総括

他にも色々あると思いいますが、要するに、公開する情報が有意義であること、クリックする前に内容を適切に把握してもらうことが重要で、そういうサイトが増えれば、検索エンジンの1ユーザとしても利便性が向上するので、みなさんがんばりましょうね、がんばってくださいねと思う次第です。サイト・ランクは自ずから上がることでしょう。


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